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内科に勤める男性看護師が、大学の看護実習の時に経験した辛かった事

あなたが経験した辛かった実習はいつの出来事ですか?

私は、現在看護師6年目の男性看護師で、内科病棟で勤務しています。
四年制の大学で看護学を勉強して、実習は2年生、3年生の時にありました。
もっとも辛かった実習は3年生の時のものです。

あなたが実習で担当した、患者さんはどんな方でしたか?

担当した患者さんは若い癌患者さんで、まだ働き盛りの男性で、子どもも小さかったと記憶しています。
患っていた癌は、5年生存率が60%程度で、抗癌剤の治療を行っていました。
1か月間担当する実習で担当して、1週間目くらいに抗癌剤の治療が始まりました。

癌患者さんにあなたはどんな接し方をしましたか?

当時、私は上手く接する事ができませんでした。
何故かと言うと、治療が始まると、患者さんは強い倦怠感、吐き気を訴え、ほとんど誰とも接しようとしなかったからです。
学生だった私は、検温以外の時にどう接したらよいのか分からず、途方にくれていました。
担当患者が1人であるため、その人以外に何もする事がないのです。
何もしない状況がとても辛く、毎日実習に行くのが本当に嫌でした。
看護師になって働いてみると何もしない、辛い時に訴えがあるまで、そっとしておくなど、積極的な見守りという選択肢もスキルとして身に付きましたが、当時学生の私にはそんなスキルはありません。
担当教員にも「あなたに出来る事は何か?」ばかりを考えさせられました。

担当教員に言われた、出来る事をあなたは探しましたか?

はい、学生なりに、吐き気を減らす方法を文献で調べたりしましたが、どれも患者さんの反応は悪く、何かをさせてくれるような状況ではありませんでした。
今思えば、何かをしなくてはいけないという状況から生まれた一方的な提案で、患者さんにとってみればそっとしておいて欲しいという気持ちの方が強く、迷惑だったと思います。
むしろ、子どもや妻の様子など心配な気持ちを沢山抱えながら、治療している事を、受け止めるような関わりを考えるべきだったと感じています。

あなたのこの実習体験から学んだ事、伝えたい事を教えてください

今でも当時の辛さを思い出しますが、内科病棟で癌患者さんと沢山接する中で、ようやく今の自分ならあの時の患者さんと向き合えるかもしれないと思えるようになってきました。
実習は辛いと先輩から沢山聞くと思いますが、実習で経験した辛さは看護師になると力になります。
どちらかというと実習の方が辛いです。
1人の人間と長い時間、向き合うのは実習くらいなものです。
最後に、どんなに辛くても時間が経てば実習は終わります、何とか乗り越えてください。

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